部屋を片付けていたら、『BANANA FISH』をついつい読んでしまい、いつのまにやら二時間経っていました。ああ。 ラスト近くのアッシュとブランカの会話の御手洗石岡パロ「僕と一緒に……スウェーデンに来る気はないか?」「"自分の孤独さを埋めるため"に僕を連れてくのかい。らしくないぜ―――御手洗」「……そうだな―――今のは忘れてくれ」というのをどっかで見たなーと思い出しましたが、どこで見たかを全然思い出せません。 強気な石岡さんの様子が『占星術殺人事件』のころの彼を髣髴とさせて、『異邦の騎士』ではけっこう荒々しいひとだったが今は昔、というさびしさを表現しているようないないような。
最初は強気なのにそのあと……なひととして私はすぐ速水三佐を思い浮かべてしまいます。彼は、初期は深町艦長に皮肉を言ったり自分なりの見解を述べたり、堂々と渡り合っていましたが東京湾海戦あたりからどうにも深町の腰巾着状態へ。ニューヨーク沖からの山中の成長っぷりと比較すると可哀想になります。誰にも誉めてもらえないし。 そこへ来ると石岡さんはいろんなひとに認めてもらえているのにあの卑屈さだもの、困ったものだ。「知性の退化現象が起こっている」は唐突だし言いすぎだと思いますがね。 だからというわけではないですが、竜三さんを超えようとあがく竹田健次のように、「退化現象」とすら言ってくれない深町から「独立」していく速水を妄想してしまいます。 |