die einfache Fahrkarte

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きみと握手! 
2006年11月26日(日)20:24
 海江田と山中の握手シーンが好きです。

 海江田がひとつの満足出来る大きな状況の変化を得たとき、健闘を称えあうようなお互いをいたわるような、喜びをかみしめる相手として他でもない山中を迷うことなく選んだところが、JOJOっぽく表現すると、グッときたぜ!
 言葉を交わすことなく、ただ、力強く手をとって見詰め合う、ふたりの強い絆を感じます。それまでずっと、海江田あっての山中、と思っていたのですが、実はというかなんというか、山中あっての海江田なんだなと目から鱗でした。
 10年、それはお互いに支えあってきた年月であって、海江田は山中がいたからこそ「やまと」計画を実行に移せたのでしょう。パートナーとしての信頼と親愛があの握手に満ちていて、きっと山中はその手の感触、温かさ、力強さを一生忘れないだろうと思います。洗えない!とかは言わないだろうけれど。

 海江田を失っても微動だにしなかった山中は、その後深町の後ろに控えるかのような態度で、海江田の後継者であることを放棄していました。死んだもののために生きてはならないというある種の遺言を、山中はきっちりと守っていると思います。
 もちろん、タービュレントに乗ってSSSSの実現に向けて動いているのは海江田の理想のためかもしれませんが、海江田の行動をなぞるようなことはせずに自分の出来ることをやる、という決してでしゃばらないそれまでの彼そのままだと感じました。自分が次期「やまと」元首だというわけではなく、あくまでも理想を追うだけで海江田を追っているわけではないのです。

 しかし、ひたすらに海江田の理想のために働くのは、死んだもののために生きている、とも言えるのかもしれません。いつまでも海江田に拘っているわけではないものの、山中にはいまさらもうそれ以外の生き方は出来ず、この一冬の航海は、山中にとってもしかしたらもっとも幸せな数ヶ月で、今後もこの航海を支えに生きていくのだとしたらそれはちょっと寂しい気もします。


独立記念日です 
2006年11月24日(金)23:34
 美しくない(笑)海江田の、グッドモーニングUSAから始まりまして、先ほど(?)独立が宣言されたわけです。

 で、何を考えていまさら『やまと』なのか、ですよ。
 おかしいでしょう。宇宙戦艦だと本気で思いましたよ。初読は中学生ですから、申し訳ないですが、この国名で思いっきり笑いました。なんか、もう……この先しばらく本気で読んでませんでしたから。正直、半分ギャグで読んでいました。ごめんね元首!

 しかし、モーニング派というか、コミックスが10巻くらいまでからの読者は、たぶん間違いなく、深町ファンになると思うんですよ。そして、深町の気をひきたいがためにあの手この手を尽くす海江田にキレた深町がコノヤローって追っかけていって、最終的には殴る(笑)まで、深町にシンクロしながら話を追うことになるのだと思って読むと思うんです。
 ところが、驕れるものは久しからず!主人公は深町&海江田ではなくて海江田&ベネットになってしまうんですよ!

 ただ、作者の、ベネットが一番好きコメントは、最初、えー?と思いましたが、次第に理解できるようになりました。話が進むにつれ私も高校生になり、多少は大人になったと言いましょうか、嫌な奴をワザとやっている様子、自分に厳しいところ、理想と信念があるところ、格好よかったです。

 最終回まで読むと、あの話は、深町の気をひくために世界中の男を虜にして深町の嫉妬心をあおり最終的には超古典的な手法であるラブレターによって深町を落とす、という一面と、一目ぼれの癖にそれを認めず好きな子はいじめたい理論でこれでもかこれでもかと海江田をいじめるベネットがなんと息子に説得されて自分の気持ちに素直になる、という一面があり、これが背中合わせになっている感じです。


 ええ、とても腐女子っぽく強引にまとめてみました。そんなに間違ってないと思いますけどね。ものすごく強引ですけど。
 とにかく、壮大なラブストーリーってことです。


沈艦その後妄想 
2006年11月19日(日)18:06
 指輪物語で、一度でもひとつの指輪の持ち主になった場合は、いつか海を渡っていくことになっていますよね。そんな感じで、一度でも「やまと」に乗ったひとは、いつかSSSSの一員として海へ潜んでいくことになるのではないかと妄想しています。
 山中が陸へ上がらずそのまま海で生きることを決意したみたいに。

 深町に関しては、海江田の遺志を継いで世界政府のために働く妄想と、あっさりと日本へ帰って「まったくあのバカのせいでエライ目に遭っちまったぜ」とか言いながらそのまま何事もなかったように自衛官を続ける妄想とあります。どっちも萌えます。
 でも、やはり深町は海江田を忘れることは無く、いつか、例えば出世して幕僚長にでもなったら、海江田の思想に近いことを始めるのかなと思います。彼はちゃんと足場を固めてから動く。海江田は我慢が足りないからそのへんをすっ飛ばしてましたが、深町はそうせず、物事には順序ってもんがあんだよ、と。俺は俺のやり方でやってやる、と。
 逆に、速水のほうが悩むかもしれません。艦長同士と同じく仲の良い友人だったと私が勝手に妄想している山中がああなっちゃって、じゃあ俺はどうなの、と。で、例えば深町が国連に協力し始めたり、山中や内海に「お前も来いよ」と誘われちゃったり。

 もし、深町が、個人的にはなって欲しくないですが政治家になったりでもしたら、速水はそのままついていくのではなく、海江田・深町の天才二人を失った海自を支える人材として海自に残ることを自分の役割だとすると思うのです。深町のそばにいることだけが深町を支える方法ではなく、深町が安心して好き勝手なことを出来るように海自のことは任せておけと、まるマのアニシナの「城はわたくしが守ります。存分に暴れていらっしゃい」の世界です。
 ただ、山中や内海が海へ、深町が陸だけれど海江田の遣り残したことを追うとなれば、そのうち速水もまた日本を離れ世界の海へ出て行くのがむしろ自然に感じます。何年後か分かりませんが、深町のもとにはせ参じるか、山中や内海の誘いに応じると思います。

 もっと言えば、「やまと」に一度でも乗った人間、ボブはもう自由に歩き出してますね、ライアン大佐も変わりましたし浜本運輸大臣も変わりました。乗ってないけれどストリンガーも海江田に相当影響されています。ひとつの指輪のごとく、「やまと」に乗り海江田に直接接した人間は皆、世界政府に向けて夢を追ってしまうか、「沈黙の艦隊」の一員として海へ行くかしてしまうように思います。
 恐るべき女王海江田。


 って、よくよく考えたら、そういや渡瀬航海長も一番最初に深町が「やまと」に乗り込んだときに一緒に着いて行ってましたよね?さりげなく。じゃあ彼もそのうち日本から出るんだな……イメージじゃないけど。