潮崎悦子が、夢を叶えてフォトグラファーになり、あのときニューヨークにいたのではないかという妄想があります。 フォトグラファーになった悦子は事件で海江田を見て、追いかけてニューヨークまで行ってしまったという妄想です。 ニューヨークで、彼女は四郎くんを見たのです。
悦子のカメラが、大人になった海江田をどう写すのか興味があります。 まだ、世界にたった一人の孤独が彼女には見えるのでしょうか。 それとも、「私は世界に似ている」と言った海江田は世界中とのつながりを持ったことで孤独から開放されたのでしょうか。
身元のしっかりした報道陣しか国連へは入れなかったと思うので、彼女がニューヨークにいても海江田が人間の悪意に倒れるところを写すことは出来なかったでしょうけれど、もしかしたら、国連到着前に市民と歩くところ、もしくはもっと前、ヴェラザノ橋あたりでカメラを構えていて、海江田の姿を収めたかもしれません。
美倉島の人々は事件をどう捉えたのだろうと考えるとき、やはり一番に考えるのは悦子です。本当の四郎くんを知っているのは自分だけだと言った悦子です。 わがままになりきった海江田を、悦子のカメラがどうあぶりだすのか、見てみたいものです。 |