die einfache Fahrkarte

過去ログ 2006年11月 12月 
2007年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2008年01月 02月 03月 04月 09月 12月 
2009年02月 10月 11月 
2010年02月 05月 
2011年07月 08月 09月 10月 
2012年01月 02月 04月 05月 06月 09月 
2015年07月 12月 
2016年01月 
2018年08月 
2019年03月 04月 05月 

不憫な山中 
2006年12月16日(土)01:31
 NY沖での話なんですけど。

 海江田は、深町がヘリで来たとき「深町!?」と言って振り返って、何しに来たんだアイツ、くらいの顔していたのに、いざ自分が国連へ乗り込もうというときには「その全てが必要だ」と命令してまで「やまと」に残すという頼りっぷり。
 山中に、お前がいれば「やまと」は大丈夫だ、くらいのことを北極海で言っていたわりと、深町が来ればやっぱり深町が一番というのはちょっと薄情に思いました。それなのに山中は深町がわめきだすと深町に従っちゃうし、退艦のときは助けてもらっちゃうし、その後もストリンガーたちの後ろに控えっぱなし。もう少し、前面に出てもいいんじゃないですか、山中さん。退艦前も後もすっかり蚊帳の外だった速水はもっと扱い酷かったですけど。山中が強引に乗り込んできた速水を見て、何しに来たんだ、という顔をしていたし。


 ところで、深町が「勘だ!」と言って機関始動を命じたとき、そのときは山中にはまだ自分が「やまと」の大黒柱代理だという気概があったのか、反論していましたが、あれが速水だったら、すかさず機関始動していたと思うんですよ。もちろん、それは速水が深町の部下だからというのもありますが、多分に「慣れ」の問題があると思います。
 「変な命令ほどいい結果が出る」とまで言う速水ですから、なんで?と思っても、すぐに従うでしょう。深町艦長は理屈を説明してくれるような人ではない、と思っていそうです。だから、山中に深町が「海江田は勘で動いたことがないのか」とか言っていたとき、うちの艦長にしては解説しているなあ、とか思っていたんじゃないでしょうか。
 深町の場合、俺がウルフAっつったらAなんだよ、くらいで説明終わりそうです。

 あのあたりのシーンは、もし深町の副長が山中だったら、がそのまま表現されている感じです。深町の勘が正しくて、それで山中はもう深町に任せたほうがいい、という気持ちになってしまったのかもしれません。あの後、急におとなしくなってしまいましたから、山中。それでも食って掛かるのが速水ですけど。
 沈む「やまと」に、一度ボートで救助を確認されているのにも関わらず、戻った速水はスゴイ根性だと思います。一度、自分の艦からの退艦を経験するとあのくらい腹が据わるものなのでしょうか。
 あの状況で「そんな話は後です!」「バカヤロー!」と夫婦漫才をやらかす二人には苦笑するしかなく、一瞬山中の存在を忘れました。さすがです。

 とにかく、海江田が艦を降りてから先は、急に男前度を上げてカッコよくなってきた山中が深町にどんどん食われて再び脇役になっていくのが切ないのです。深町が海江田に主人公の座を奪われていく過程よりも、やっとスポットライトが当たってきた雰囲気の漂う山中のほうが寂しさもひとしお。まさに三日天下。しかも実際には数時間。